第11章「続ける者、離れる者」
1. 副業が日常になるとき
副業を始めた頃の緊張や興奮は、やがてルーティンへと変わっていく。それはまるで新しい趣味を始めたときの高揚感が、日常の一部として落ち着いていく過程と似ている。
この章では、副業を「習慣」として継続できる人と、「熱が冷めて離れていく人」の分岐点に注目したい。なぜ継続できる人と、途中でやめてしまう人に分かれるのか。その違いは、才能でもスキルでもなく、「マインドセット」と「仕組み」にある。
2. 離れていく人の特徴
副業を辞めてしまう人には、いくつか共通点がある。
① 成果が出ない焦り
始めて3ヶ月、6ヶ月経っても収益がゼロ、あるいは数百円。モチベーションが維持できない。SNSで他人の成功体験を見るたびに、自分の無力さに苛まれる。
② 忙しさの波に飲まれる
管理職という立場は、繁忙期やイレギュラー対応で時間を奪われがち。そのたびに「今日はできない」が続き、やがて自然消滅する。
③ 目標が曖昧
「なんとなくお金が欲しい」「とりあえず始めてみた」。目的が曖昧な副業は、継続する理由も曖昧で、壁にぶつかると簡単に諦めやすい。
3. 続ける人の習慣
一方、続けている人たちは派手ではない。むしろ地味な努力を「自分の仕組み」に落とし込んでいる。以下の習慣がその根幹だ。
① 時間を固定する
毎朝6:00〜7:00はブログ執筆、昼休みにキーワード選定。こうした「ルール化」が、副業を生活に溶け込ませるコツ。
② 小さな成功を積む
1クリック、1アクセスでも「昨日より前進した」と捉えられる人は強い。続けるほど、「昨日の自分」がライバルになる。
③ 成果より成長を見ている
初収益よりも、記事が上位表示された、SNSで反応が増えた、など「成長指標」に目を向けられる人は粘り強い。
4. 成功者も最初は脱落者だったかもしれない
よく目にする「月5万円」「月100万円」稼ぐ副業成功者も、最初はあなたと同じように、迷いと不安を抱えたサラリーマンだったはずだ。違いは、途中で止めなかったという一点に尽きる。
副業で成功する最大の武器は、特別な才能ではない。「普通の人が、普通にやめないこと」だ。
5. あなたが「続ける側」になるために
副業を“続ける”ことが最大の差別化になるなら、どうすれば自分を継続体質にできるか? 具体的には以下の方法がある。
- 副業日報を書く(1行でも良い)
- 同じ志のコミュニティに属する
- 完璧主義をやめる(80%の完成度で公開)
- 月に1回、振り返る時間をとる
これらは、あなたを「やる気に頼らない継続」に導いてくれる。
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